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当社の歯科治療のデジタル化の試み 水林 登 |
当社の歯科治療のデジタル化の試み 水林 登 |
歯科のデジタル化の現状 |
歯科医療の進歩において、デジタル技術は中核的な役割を担っています。 例えばジルコニアを用いた金属を使わない治療の普及。貴金属価格の高騰などを契機として,今日では CAD/CAMシステムを用いた補綴装置(詰め物/被せ物)が広まり,ロストワックス法による従来型の歯科技工ワークフローに取って代わろうとしています。
また、口腔内スキャナーによる光学印象(歯の型取り)の普及はデジタルによる作業工程を技工のみでなく,臨床現場にまで拡大するものであり、補綴歯科治療の全ステップがデジタル化される可能性が現実味を帯びてきました。 こうしたデジタル化の流れによって、補綴装置の精度・再現性の向上、質の均一化、医療廃棄物の削減、技工及び臨床ステップの簡便化・可視化、データの共有・統合などが可能となり、そのインパクトは計り知れません。
一方、歯科技工士界はというと、2020年度の衛生行政報告例によると、全歯科技工士 約34,000名のうち、50歳以上が約18,000人で52%と半数以上を占めるといいます。 定年を65歳とすると、今後15年間に毎年1200人ずつ離職する計算になり、今後、歯科技工士不足が予想されます。 このことからも、今後、早急にデジタル化を進めていくことが重要になると考えています。
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当社のデジタル化の現状とビジョン |
当社では2000年代初頭よりいち早く歯科技工用のCAD/CAMシステムを導入。ジルコニア素材の補綴装置(詰め物/被せ物)の技工作業に活用してきました。
歯科医院様から納品された石膏の印象模型をスキャナーで読み取り、デジタルデータに変換することから作業が始まり、設計、シミュレーション、修正、製作という工程に流れていきます。当初はジルコニア素材がロットごとに収縮率が異なったり、金属系補綴装置と厚みの取り方が違ったりと、試行錯誤で適正値を模索。これにより手作業により発生していたミスを大幅に軽減し、作業の進捗管理も可視化することができるようになりました。
今後はさらにデジタル化を進め、歯科医院様とのコミュニケーション手段に用いることで、より高精度な補綴装置の技工を効率よくできるような環境作りを進めてまいります。
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デジタル化実現のためのプラン |
現状は一部の補綴装置の技工に留まっているCAD/CAMシステムの利用範囲の拡大、歯科用3Dプリンタの新たな活用を図ります。 そのために、歯科医院様、他の技工所様とのインターネット環境を介したデータのやり取り、リアルタイムでの3次元画像の確認を実現。 臨床で採得したデジタル印象データを納品していただき当社が作業着手できる環境の構築、当社がデジタル設計した画像を元に、技工方針、シェーディングの決定ができる工程への改善を目指します。
ここでポイントとなるは、ベテラン技工士と若手技工士によるチーム作り。 ベテランの匠の技を若手のデジタル技術に対する柔軟性をうまく融合させて、持続的な成長が図れる組織作りを行います 。 デジタル技術は各技工工程を可視化できると共に、データの蓄積が可能になります。 職場環境を大きく改善し、技術承継を行いやすくすると共に、若手技工士のモチベーションを高め、結果、技工士不足を解消するキーになると確信しております。
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デジタル化推進のための組織体制 |
当社のデジタル化推進において、デジタル情報管理、機器管理・操作の総合責任者に代表取締役の水林、CAD/CAMシステムを始めとする各種デジタル装置の技術責任者には若手歯科技工2名。 歯科医院様、他の技工所様といった外部とのデータ連携におけるルール作り、データ管理は事務担当の2名を配置。
このようにスタッフ全員で日常的に連携をとりながら、デジタル技術がもたらす新たな課題を継続的に改善していけるようにします。 |
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